ハナへ
ぼくの前からいなくなっちゃった、ハナへ。
きみと別れてからもう1年もたつんだね。
なんか昨日のことみたいだよ。
ぼくのこと?
ぼくは相変わらずだよ。
今のぼくをきみが見たら、がっかりするかもね。
この1年、きみはどうしてた?
かっこ悪いんだけどぼくはきみが忘れられずに
うじうじしてたよ。もちろん、仕事をしてるときは
強がって、「へへん」みたいな顔してたけどね。
きみと一緒に歩いた道や、
きみと一緒に遊んだ場所、
そこにはいまだに足が向かないんだよ。
新しい子を何度か紹介されたよ。
いい子にも出会ったよ。
その都度、「この子が運命の子?」
なんて思ったりしたんだけど、
やっぱりきみが忘れられないよ。
きみが置いていったお気に入りの服。
実は捨てらんなくて、今でも押し入れに入ってるよ。
お店のお客さんとも、いまもきみの話をすることがあるよ。
きみは可愛かったからなー。
だからきみとの別れ話をすると、みんなびっくりしたよ。
自分のことのように悲しんでくれたよ。
今のぼくにできることは、きみの名前のついたこの店を
いつまでもいつまでも大切にしていくこと。
きみの名前のついたこの店を一緒に支えてくれる人、
この店を訪れてくれるお客さん、
みんな、みんな大切にしていくこと。
それが、今のぼくにできること……。
ハナ、きみは今、どうしてる?
サクラやモモ、お母さんのラッキー、
そしてぼくのお母さんとあっちでは楽しくやってる?
毎朝手を合わせてるぼくの声は届いてる?
ぼくはいいパートナーだった?
ぼくのこと好きだった?
ぼくといて楽しかった?
あの日、ぼくはいつものように寝てしまったんだ。
もうすこしぼくが起きていれば、
きみのさいごをみとってあげることができたのに。
でも、そうしたら悲しみはもっともっと
大きかったかもしれない。
ハナ、きみはたぶんそう思って、
その小さなからだで精一杯いのちの炎を燃やして、
ぼくが寝てしまうまで頑張ってくれた。
15年間、ぼくのそばにいてくれて
本当にありがとうって思います。
きみの名前のこの店は、ずっとずっとここにあるよ。
ぼくはずっとずーっと大切にするよ。
美容室Hana 中西トモミチ