カールへ
うちの子、カールへ。
あなたがわがやにやってきたときのことは、
今でもよくおぼえています。
小さなあなたはコロコロと太ってて、
可愛くてどうしようもありませんでした。
あなたはお母さんと離れたからか、
最初、毎晩泣きましたね。それがせつなくて、
家族みんなであなたをずっと抱いたよね。
小学生だったうちのおにいちゃんといもうとが、
あなたと毎日散歩に行ってたね。
いまでもあなたとうちの子たちの出かけて行く姿が
目に焼き付いています。
あのおにいちゃんももう子どもがいるし、
妹も、このまえお嫁に行きました。
あなたに見せたいです。
あなたを思い出すと、きりがありません。
近所の山へ連れていくと、
もう、どう喜びを表現していいかわからないはしゃぎようで。
草むらにもぐりこんで、土を掘ったり穴に入ったり、
もう、きたない犬になって出てきたね。
よその人に吠えたりすると、ほうきで叩いたこともあったね。
痛かったでしょうね。ごめんね。
子どもたちが大きくなって
家にいないことが多くなると、
わたしとお父さんがあなたと散歩するようになった。
時間になるといつも、時間ですよ、と催促したね。
おかげで私も足がつよくなり、
今も元気で畑仕事をしています。
あなたのおかげといつもお父さんと話しています。
そして、おにいちゃんが高校を出て、
遠くの大学に行って、家にいなかった時期でした。
あなたは具合が悪くなった。
あっという間のことでした。
会いたいねカール。
あなたは今も、うちの子。
あなたとの生活で家族が支えられたことがいっぱいあります。
ありがとう。
またさびしくなったら
手紙を書きますね。
じゃあね。
梅田敦子
追伸
このまえ、あなたがはしゃいだあの山に行って、
ふきのとうをとってきたよ。